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「音吉流ステレオの鳴らし方 改訂新版(2016.01.29.改訂)
ネットショップ工房音吉にて無料配布しています(PDF版)


音吉流ステレオの鳴らし方
(これは2009年版です)


                                  ● これを読めばマニアの音がすぐ出せる。
                                  ● オーディオ歴30年の知恵、全公開。
                                  ● なぜ大口径ウーファーでは低音がでないのか?




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 このページでは「工房音吉」店内で無料配布されている小冊子「音吉流ステレオの鳴らし方」の全文を掲載いたします。内容が多いので少しずつ読んで下さい。

 車の世界で「え、ガソリン入れないと走らないの?」と聞く人はいません。が、オーディオの世界ではスピーカーを買ってきて、ポンとどこかに置けば鳴ると思っている人が大部分だと思います。中にはセッティングが大事と思っている人もいると思います。

 しかし、セッティングって壁から2メートル以上スピーカーを離した位置での調整のことですよ。30センチとか1メートルの近接位置に置いて調整してもオーディオショップで聴くような音しか永遠に出ませんよ。なら、どうしたら良いのか、ちゃんと書いてあります。


          「エッセイ」では「音吉流ステレオの鳴らし方」の内容がやさしい言葉に変換されています!!!!

      「音吉流ステレオの鳴らし方」を読んでも、よく理解できない場合は「エッセイ」を読んでみよう。スッキリしますよ。

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            第1章 はじめの言葉

            第2章 常識のうそ

            第3章 その他役に立つこと

            第4章 音吉流ステレオの鳴らし方

             ------おわりに------





 

         1章 はじめの言葉

 

オーディオに興味を持ち始めて30年以上が過ぎてしまいました。自分でもなぜこんなに長い間、音のことを考えてきたのか不思議といえば不思議です。しかしながら、音について知るには30年では短すぎるというのが現在の正直な気持ちです。

 

オーディオをやり始めて20年が過ぎようとしていた頃、目から鱗がおちるように音のことがわかりはじめました。どんどん疑問が解け始め、自分が出そうと思っていた音もどうにかこうにか出せるようになりました。その時の心境といえば、まるで富士山の頂上に自分がいるような気持ちでした。多くの人が右往左往してまだ一合目あたりにいるように感じました。しかし、周りを見渡すと富士山よりはるかに高い山がいくつも見えました。標高30000メートル、50000メートルはおろかもっと高い山がいくつも見えました。それらの山を征服するには一回の人生では無理のような気がしました。

 

この小冊子で私が書けることは富士山のレベルでしかありません。しかし、自分の出したい音が出せないで苦しんでいる方にとって必要なことなら書けます。自分が苦労してつかんだ事のすべてを包み隠さず書いてしまおうと思っています。

 

お気づきの方もおられると思いますが、20年くらい前からオーディオ界には異変が起きています。簡単に言えば、オーディオファンがいなくなってしまったのです。多くのメーカーが業界から撤退しました。買う人がいないのに製品を作り続けることはできません。音楽を聴く道具としてはI-PODが主流になってしまったようです。

 

生き残りをかけて頑張っているメーカーもあります。SACDなどを開発して需要を喚起しようとしたり、ステレオ本体が売れないなら電源タップやら、接続コードやら、スピーカーコードを売ろうとしたりしていますが、ぱっとしない状況です。

 

そのような状況の中で特に嘆かわしいのはスピーカーの研究がここ20年くらい停滞していることです。製品が売れなければ新しい製品の開発費もないということでしょうか。オーディオファン向けのスピーカーの音は進歩しているどころか後退しているようにも思います。

 

そして、音にうるさいマニアは完全に無視されているようです。昔、既製品の限界を知ったマニアのほとんどはメーカー各社が販売しているスピーカーユニットを使い、思い思いの音の出せる自作スピーカーの世界に入って行ったものでした。(マルチアンプ方式の人が多い) が、現在スピーカーユニットを手に入れようとしても製品の数がかなり限られているようです。

 

車にたとえて言えば、オーディオファンはベンツやポルシェ、レクサスで満足できるタイプです。一方、オーディオマニアはF1クラスの性能を求めているタイプになります。

 

物が売れない状況のなかで物を売るためにはオーディオファンや極少数のマニアを無視して、その他の大勢の人をターゲットにしなければなりません。音のわからない人を相手に商売をしなければならないのです。そのためには、ステレオを鳴らすのに必要な高度の知識など解説してはいけないのです。反対に物を売るための情報操作を行う必要があります。20年くらい前までは、ステレオの鳴らし方に関して真面目な解説記事がオーディオ雑誌にもかなり載っていましたが、現在載っていないのはそのせいです。

 

この20年の間にオーディオ雑誌等で行われた情報操作により、音のわかるマニアまでが洗脳されている可能性があります。この洗脳を解かなければ自分の出したい音は絶対に出せません。

 

次章では「常識のうそ」と称して修行の妨げになるオーディオ界の常識をできるかぎり書いてみたいと思います。

 

オーディオ界に常識がなければオーディオ製品は売れない。しかし、常識のうそが分かってしまえばオーディオ製品は売れなくなる。第2章は業界泣かせの章になります。

 





 

2章 常識のうそ

 

★ 高価なオーディオセットを揃えることにより、より幸福な日々がやってくるような錯覚をおこさせる広告や評論家の文章をよく目にしますがすべてうそです。昔、安価なツボを幸福がやってくるようなフレコミで100万円ほどで販売していた個人又は団体がいましたが、人間は物を手に入れることにより幸福になれるほどナイーブにできてはいません。しかし、ナイーブな人がいることもたしかです。売る人が悪いのではありません。買う人に何らかの信仰があるから物は売れるのです。音のわからない人の多くはこの信仰世界に入りやすい。マニアには信仰はありません。というより、マニアは幸福など求めていません。マニアが求めているのは自分の出したい音を現実に出すことです。出したい音を出すためにどうしても高い製品が必要な場合もありますが、ほとんどの場合高価な製品は必要ありません。

 

高い製品を購入する場合、信仰のほかに、所有することの喜び、見栄や、税金対策がからんでいます。マニアにはこのような要素はありません。出したい音だけが頭の中にある。

 

★ 100万円出して買ったアンプをつないでみて、どうも納得がいかない。物知り顔の先輩に相談すると「やはり300万円以上でないと本格的な音はでないよ。」と言われる。これもすべてうそです。大事なのはどのような音を出したいかということであり、その音が出せるアンプか否かということです。スピーカーしかり、CDプレーヤーしかり。

 

高い、安い関係なし。この事に気づかないでいると高価なオーディオ製品を次々と買い換えるだけの人生になってしまいます。「オーディオ地獄」とはこの事です。高い製品だからと言って、いい音が出るわけではありません。いい音のアンプは値段に関係なく山ほどあります。なにを選んでもいいのです。自分の出したい音が出せるなら。 自分の出したい音を出してくれるアンプがいいアンプなのです。他の人にとって、そのアンプは悪いアンブでしょうけど。


<世間でよくある会話>

「○○○というアンプはいいアンプですか?」「あなたにとっていい音とは何かをまず教えてもらわないと・・・・何て答えていいか・・・わからないのですが・・・・」


  万人共通のいい音などありません。ひとりの人にとって良い音がも
ひとりの人にとっても良い音である可能性はかなり低いのです。自分が良いと感じているものを人に「これはいいアンプだよ」と教えることは単なるおしつけです。自分の音を大事にする。そして人の音も大事にしたいと思います。

 

 万人共通のいい音などないと書きましたが、あるレベル以上の人の音はかなり似ている場合がしばしばです。市販品のスピーカーは大きく音像型と音場型に別れますが、マニアはその両方を高度な次元でまとめあげたスピーカーを自作していますので、出てくる音が似てくる訳です。マニアの音の特徴を別の言葉でいえば、スピーカーの存在が消えて音楽だけが空間で鳴っていると言えます。しかも音像はしっかりしている。このような音をオーディオに興味のない人が聴くと何の特徴もない音に聴こえます。何の特徴もない音がマニアの音の共通点とも言えます。

 

★ 「やはり大口径ウーファーでないと本格的な低音を出すのは難しい。」これもうそです。広い部屋での音圧だけが気になる人には大口径ウーファーは有利ですが、音楽を聞こう、自分の音をなんとか出そうと思っている人にとって大口径ウーファーはひずみのかたまり以外の何物でもありません。それでも38センチウーファーを鳴らしたいなら少なくとも100畳くらいの部屋を用意してあげましょう。20畳くらいの部屋にそんな物を持ち込んでも鳴りません。音は出るけど音楽は鳴りません。アンプも片チャンネル1KWくらいはおごってやりましょう。

 

大口径ウーファーは大きな部屋で大きな音で鳴らすのが基本です。コンサート会場の音圧レベルくらいまで上げると38センチウーファーでもかなりまともな音を出してくれます。しかし、20畳くらいの部屋で出せる音量では重いコーン紙がまともに往復運動をしてくれないので質の悪い低域しか出せません。ただし、反応の鈍い低域はBGM用には適しているとも言えます。(風のような低域)

 

大口径ウーファーを20畳くらいの部屋で鳴らすことは、ポルシェを時速10〜20kmで使うのと同じくらい意味のない使い方になります。性能の5%も発揮できない。せっかく買った大口径ウーファーなら100畳くらいの部屋を用意してやる愛情と見識が必要です。(口径の小さなウーファーであってもその性能の10%も発揮出来ないような音量で鳴らしているケースがやたらと多い。既成品スピーカーは大きな音量で鳴らさないとパンと鳴りません。振動系が重いから。)

 

大口径ウーファーの特性を逆手に取った使い方もあります。小さな部屋に大口径ウーファーをあえて(何本も)持ち込み、これでもかと言わんばかりの鈍い風のような低域をだしてBGM的再生の極致を狙っている人もいます。この場合、高域は低域に合わせてなだらかに落とすか、立ち上がりの悪いツィターを探して釣り合いをとります。モヤーとした聞いていて疲れない独特な低音になります。(又は、中域中心のフルレンジ的な音になります。)

 

<参考そのT> ほとんどのスピーカーは無響室で測定して作られています。その性能を損なわないように鳴らすには、壁から少なくても2メートル以上離してやりましょう。もし近づけるなら壁は吸音材で処理しましょう。スピーカーの周囲を無響室に近い状態にしないとその性能は発揮できません。このことについてメーカーは情報操作というより「だんまり」をきめています。そんな鳴らし方しかできないことを教えてしまえばスピーカーは売れなくなってしまいますから。評論家にもそのような解説はしないよう釘をさしています。物が売れなくなるような事を言う評論家には仕事は来ません。

 

 しかし、雑誌社の試聴室では上記の原則は守られています。各スピーカーの試聴時風景写真をすべてチェックしてみて下さい。言葉では絶対解説はしないが、写真では正しい設置で試聴しています。吸音処理もしっかりしています。20年前の雑誌ならスピーカーを壁から離すことについて明確に文章で説明していました。

 

個人のリスニングルームにおいては、ほとんどの人がスピーカーを壁におしつけているようですが、これでは、いつになってもそのスピーカーの性能は発揮できません。ただし、小音量で聴く場合には高域と低域が出ませんので大きな問題にはなりません。もちろん、常に中域中心に小音量で音楽を聴く人は最初からCDラジカセあたりを選んでいます。CDラジカセやテレビの音を馬鹿にしてはいけません。小音量再生ならほとんどのスピーカーより音が良い。

 

木造住宅では低域がかなり部屋の外に逃げてしまうので、スピーカーを壁に近づけても低域がカブルことはあまりありませんでした。しかし、最近の鉄筋コンクリートの住宅では低域はもろにカブッテしまいます。そのために、スピーカーを壁から離す。吸音処理をする。

 

 「音吉モニター」は反対に部屋のコーナーをホーンとして使うよう設計されています。部屋のコーナーから離してはいけません。

 

また、部屋が小さい場合、あまり口径の大きなスピーカーはコーン紙がうまく動いてくれないので、ある程度大きな部屋を用意してやりましょう。目安として、口径15cmなら6畳以上、20pなら12畳以上、25pなら30畳以上、30pなら50畳以上の部屋を用意しましょう。(逆な言い方をすれば、部屋に合わせてスピーカーを選びましょう。) こんな事はちょっと昔の人なら普通に知っていた事です。カタログでも推奨部屋面積○○u〜○○uというような表記をしているものがありました。製品紹介をする外国のホームページでは今でも推奨部屋面積についての記術があります。

 

大きな部屋が用意できない場合はリスニングポイントより後ろにあるドアや戸を開けておけば実質上大きな部屋になります。しかし、同じ大きさの部屋なら口径の小さなスピーカーの方が良く鳴ることは忘れないでください。この事についてもメーカーは「だんまり」をきめています。評論家しかり。利幅の大きい、大型スピーカーが売れなくなるような解説をする評論家は失格です。と言うより永遠に仕事が来なくなります。

 

「音吉モニター」は口径10センチのフルレンジを使用しています。6畳くらいの部屋でも質の良い音が出せます。しかし50畳より大きな部屋になると少し低域再生に無理がでてきます。質が落ちるのを覚悟で12〜20センチ口径に交換する必要が出てきます。20センチなら100畳くらいは楽々こなします。しかも38センチより質の良い低音が出せる。しかし20センチにも限度はあります。150畳とか200畳になったら、30とか38センチを考え始めて良いかと思います。

 

 低い周波数を出すにはやはり大口径でないと出ないとお考えの方もいると思いますが、密閉箱やバスレフ箱に38センチを入れても狭い部屋では50ヘルツが限界です。50、60ヘルツなら小さな口径でも出ます。大口径の有利な点は、大きな部屋で質は悪いが大音量が出せることです。しかし、小さな部屋では小口径に音圧の点でも負ける。大口径ウーファーでは小さな部屋で振幅が大きくとれないからです。ゆえに最低域再生限界でも負ける。(大口径ウーファーは小さな部屋で使うことを前提に作られていません。)

 

 質のよい低音を大音量で取り出すためには小口径ユニットの多数個使用がありますが、このタイプのスピーカー研究はメーカーにおいても完成していません。しかたなく、大きな部屋では大口径を使うことになっているのが、現状です。

 

<参考そのU> 無響室という条件で低音の出るスピーカーを目標とした時点から、設計者は歪みの問題に目をつむっています。小口径のスピーカーを使い無響室で低音が出るようにするには振動系を重くしなければいけないのでコーン紙の動きがにぶくなります。入力信号に忠実に動かないということは歪みの増大につながります。さらに密閉箱やバスレフ箱などに取り付けるとコーン紙に負圧がかかりさらに動きにくくなります。(バスレフでもコーン紙にはかなりの負担がかかります。ダクト内の空気をチューニング周波数で共振させるために必要なエネルギーをコーン紙は負担させられています。実質上、コーン紙は動きにくくなっています。さらに、スピーカーボックス内の音にならない風成分は狭いバスレフダクトの中をヒュウヒュウいいながら窮屈に往復しなければなりません。ある量の重い空気を常に往復させることは密閉箱よりコーン紙に負担がかかっているかも知れません。)

 

大口径ウーファーはいくら軽く作ってもやはり重いので歪みが増えます。さらに負圧は小口径ウーファーよりはるかに大きくなります。いずれにしろ重いものを負圧のかかる状態で無理やり往復運動させるにはとてつもなく大きな電力をぶちこんでやらなければなりません。しかしながら、それでも波形に忠実には動かないのです。

 

研究者はいつになったら歪みの問題に取り組むのでしょうか。あれほどデータ好きの設計者がアンプなどの歪率は発表しても、スピーカーの歪率を発表した事はありません。(クォードは過去に発表したことがあります) 発表されるのは周波数特性、能率、その他です。そもそもなぜ無響室で測定しなければいけないのでしょうか。実際誰も無響室などを用意して音楽を聴く訳ではありません。音楽を鳴らすのは普通の部屋です。30年以上オーディオをやってきて、スピーカー製作者がなぜ無響室が好きなのか私にはいまだにわかりません。無響室という呪縛。そして負圧という呪縛。コンピューター管理による大量生産の限界。

 

音のわかる人が激減しているために、音についての研究自体を中止しているのかも知れません。音のわかる人は僅かしかいません。それより現在、インテリアや家具としてスピーカーを買う人が大部分だということから考えれば音の研究などは無意味なのかもしれません。20年くらい前から、オーディオ雑誌も完全にインテリア雑誌に変身している感があります。

 

アンプの歪みの研究のほうがはるかに進んでいます。スピーカーの歪みの問題だけが取り残されている状況はいつまで続くのでしょうか。大きな箱に16〜20センチのスピーカーをつけていた時代のほうが歪みは少なかったような気がするのは筆者だけでしょうか。時代の流れでスピーカーはこのままインテリアとしてしか認められないのでしょうか。

 

筆者は無響室測定でなく壁に押し付けた状態での測定が現実に一番近いような気がします。測定位置も2〜3メーター離れた位置が現実的です。薄型の壁掛けタイプのスピーカーなら振動系をあまり重くする必要がなく、薄型ゆえに壁からの反射がないのでかなり性能的には良いものができるはずです。又は「音吉モニター」のようにコーナー設置型ならはるかに軽い振動系を使えるので上級者向きの分野として可能性があります。又、密閉型やバスレフ型にこだわるのもどうかと思います。どちらもコーン紙を楽に往復運動させてやる事は出来ません。箱を嫌ったマニアは一時期、コンデンサー型やリボン型に希望を見つけました。

 

現実問題としては、重い振動系を持つ能率の低いウーファーの宿命とも言えるモヤモヤする現在よくある低域を改善しようという動きはほとんどありません。今のままにしておかないと、利幅の大きい大出力アンプがまず売れなくなってしまいます。スピードのあるその他のアンプも必要なくなります。あの重いモヤモヤした音は現在のオーディオ界では大事なメシの種になっているのです。見方を変えればかなり多くの人がモヤモヤした低域をなんとかしたいと思っている訳です。「パンと鳴らしたい。」よく聞く言葉です。

 

★ 低域には方向性がないのでサブウーファーは部屋の何処においてもかまわない。これも大きな大きなうそであります。そんなことをしたらスピーカー本体とサブウーファーの位相が合わなくなり、音楽を聴くどころではありません。位相ほど大切なものはありません。ましてや音源の分散化につながり音像の定位がとれなくなってしまいます。

 

★ スピーカーを壁に近づけたり離したりすることで低域の調整をすることがマニアの腕の見せ所である。これもうそです。スピーカーを壁に近づけたり離したりすることは「スピーカーのセッティング」と言われていますが、ほとんどのスピーカーは壁に近づけてはいけないのです。2メートル以上離しましょう。できたら吸音処理もしましょう。 (2メートル以上離してうまく鳴らない場合、部屋がライブ過ぎることが考えられます。吸音処理が必要になります。) セッティングというものに10年、20年費やしている人もいると思いますが、時間の無駄です。無響室で測定して作られたスピーカーをなんとかして壁の近くに置いて鳴らそうという試みがセッティングというものです。これはうまくいかないのです。うまくいったとしても音像がいくつもできてしまいます。それでは正しいステレオ再生ができません。(定位が全く定まらない) そろそろ目を覚ましましょう。

 

試しに現在お使いのスピーカーを壁から離して聴いてみてください。それまで性能の30%も発揮できていなかった事がおわかりになると思います。その原因はスピーカーの裏に回った音がうしろの壁で反射してもどってくるため、スピーカーから直接前にでている音にワルサをしていたからなのですが、それを確かめるにはかなり広い部屋が必要になります。(又は、スピーカーの後ろの壁とスピーカー近くの左右の壁を吸音処理する事でも音質の向上ははっきり分かります。)

 

しかし、なにゆえそのような使い方を前提としたスピーカーを作りたいのか、またもや考えてしまいます。スピーカーという物はもともとアメリカのように100畳、200畳のリビングルームを持っている個人を対象に開発されているのかも知れません。小さな部屋で聴く人が多い日本人のためにオプションで吸音セットを別売りで提供しても良いと思うのですが。又は、最初から壁設置型のスピーカーを開発して欲しい。

 

★ 原音再生という魔法のような言葉でアンプのすばらしさ、スピーカーのすばらしさを表現している例がいくつも見られますが、これもうそです。そもそも我々が接することのできるオーディオ機器は原音再生など目標にしていません。このことの説明は100ページ使っても説明しきれないので割愛させていただきます。原音とは何かという定義をまず確定させないと、議論が始まりませんので。

 

ヒント⇒マイクロホンでピアノの音を捉えるにしろ、マイクロホンの立っていないピアノの後ろ側からも原音は出ているのです。下にも、上にも。普通マイクロホンで音を録るときは原音の一部しか相手にしていません。

 

マイクロホンを50〜100本以上ピアノの回りに配置して録音機材も50〜100チャンネル以上を使い、小さなスピーカーユニットを50〜100個以上装備した原寸大のピアノ型のスピーカーで再生する。筆者はそんな世界が原音再生ではないかと思っています。これなら、どこのホールに持っていってもそのピアノの音がわかります。ステージの後方に置いた場合どんな音で鳴るか、ステージの前方に置いた場合どんな音で鳴るか、かなりの事まで判断できると思います。原音が出ていますので。

 

マイクロホンでとらえた音の波形を忠実に再現するのが原音再生なら現在売られているスピーカーの性能は低すぎます。いずれにしろメーカーの使う原音再生という言葉は意味不明ではあるが大きな魔力を秘めています。

 

★ 生の音に近づけることがオーディオの1つの目標である。これもうそです。生の音はしょせんCDの音にはかなわないのです。(CDの音が生の音にかなわないのではありません) 写真の世界で考えてみましょう。プロの撮った女優の写真のほうが本物より美しい場合がほとんどではありませんか。録音の世界でも同じなのです。音を濁すような間接音は楽器の位置を変えたりして減少させ、一番良いところだけをプロは録っているのです。 

 

理想的な楽器の位置、配置を生演奏会場に求めることは現実問題として不可能なのです。でしゃばる、かぶりぎみな低音は生の世界ではそのままにして、誰も気にしないでいるのが常のように思われます。

 

葛飾北斎の描いた富士山は本物の富士山より美しいのです。いいとこ取りして、さらにそれを強調する。葛飾北斎の描いた富士山のことを生の富士山と比較する人はいませんが、なぜかオーディオを取り囲む人々の中には生の音に対する奇妙な信仰があるようです。オーディオという趣味は絵画や写真撮影と同じように芸術の分野なのです。芸術は本物よりすばらしい。しかし、音は絵画や写真と違い消えてしまいます。後世には残りません。付け加えますと、オーディオは絵画や写真と同じように視覚を基本にした芸術だと思います。が、聴覚により音像や音場を見る芸術のような気がします。

 

音キチは音楽を聴かずに音ばかり聴いていると昔よく言われていました。正しくは音楽を聴かずに音像や音場ばかり見ているオタクではないでしょうか。音楽を聴くのにはモノラルの方が良いのかも知れません。

 

しかしながら、生に数多く接している人がオーディオ店に行き、JBLやタンノイのレベルの音に触れた場合には、こんな反応をしている場合がほとんどです。「ちっとも音楽聞こえてこないなぁー。コンサート会場の一番後ろの席にも劣る。こんな物に何百万も使う人ってどんな人なのだろう。」 彼らはほとんど音楽を生で楽しみ、オーディオといえばCDラジカセやせいぜいミニコンポを持っているくらいです。たしかにタンノイをうまく鳴らしたとしてもコンサートホールの一番安い席(最後方の席)で聴くような音しか出ません。楽器の分離は悪いし、リズムを刻むパートでもリズムが聴こえてこない。よく言えば、渾然とすべてが溶け合ったハーモニーの美しさと言うところでしょうか。生をよく聴く人は生の音を信仰しているのではありません。ただ家でも音楽を聴きたいのに音楽がスピーカーから聞こえてこないので、オーディオに興味がないだけです。もし、マニア向けのスピーカーが店にあったなら、生を大切にする音楽ファンでもオーディオにのめり込んで行ったかもしれません。本物の富士山より美しい富士山が描けますから。生より感動できる再生芸術を味あうことが可能ですから。

 

東京のオーディオショップでこんな光景を見たことがあります。中年の男女ふたり、女性は男性オペラ歌手ファンで、男性はオーディオ通で案内役。店員がオペラのCDをかけると「○○○○・・・○○の声ってこうじゃない。もっと直接観客の所へ届く声です。」と女性が即座に言いました。立ち上がりの悪い既成品のスピーカーではBGM的な音しか出せないのですから、しかたがありません。この場合も、もし、マニア向けのスピーカーが店にあったなら彼女はオーディオセットを揃えたかもしれません。

 

こんな感じでオーディオに近寄らない音楽ファンはたくさんいます。JBLにしても音楽をゆったり聞くことを大事にしています。生のドラムやシンバルの体に突き刺さるような衝撃音など出そうとは思っていません。JBLの既製品でホーンを使ったスピーカーなどはわざわざ立ち上がりを遅くしてゆったりとした音作りをしています。宣伝文句はこうです。「弦楽器もなめらかに再生して美しい。」 もともと、立ち上がりを遅くして弦を聴きやすくするのはBGM的手法です。マニアは違う方法を取ります。

 

既製品の限界を知り尽くして、マルチアンプ方式の世界に入るマニアが多いのですが、こんな人もいます。テレビの音は中域中心の音ですが、中域のスピードに関してはJBL、タンノイより速いのですっきりした綺麗な音に聞こえます。オーディオ店に行きこの辺のことに最初から気づくような人は既製品を絶対買いません。いきなり、スピーカーの研究に入るマニアです。音楽好き人も既製品には手を出さない。(オペラファンの中年女性も音楽ファンです。既製品を買おうとしなかった。) 

 

音楽というものに対してBGMとしてのやすらぎを求めている人は既製品にはまります。既製品はある意味では、生では出せない、そして聞いていて疲れないBGM的再生を目標としているといえます。写真で言えばソフトフィルターをつかい現実とはちがう柔らかい質感を出そうという目的で作られているとも言えます。ゆったりした優雅な音を開発目標にしていると言えます。絵画にあえて例えれば印象派や点描画の世界を目指していると言えます。

 

しかし、音楽ファンにはその良さがわからない。特に楽器をいじっている人には。「JBLとかタンノイを聴いてみたけど、ギダーの弦がガット弦かナイロン弦かよくわからない。」「ピアノの練習をしているが、タッチが不明瞭で人の演奏から勉強するには使えない。」こんな反応ばかりです。 マニアも同じような不満を持っているので、ほとんどの人がスピーカーだけは自作するのです。マニア用に単品売りされているスピーカーユニットは性能が全然違います。

 

★ 不要輻射はバッフル板の面積を少なくすることによりおさえられる。これもおかしな理屈です。必要輻射がなくなってしまいます。今、流行のトールボーイタイプのスピーカーの利点について能書きを言っているのだと思いますが、これは洗脳の最たるものです。

 

なぜ、トールボーイタイプのスピーカーを売りたいのかよくわかりませんが、バッフルの響きというものはまだまだ必要なのです。低域の厚みはバッフル板の面積がある程度ないと出ません。低域の厚いアンプ、CDプレーヤーを組み合わせて出すことも可能ですが、いくら厚い低域とはいえ、「木の響き」の加わらない電気的な低域というのはぬくもりが足りないのです。(バッフル板の面積が大きくても補強をやりすぎると必要な響きまでが出なくなります。同じ木でも合板は響きが渋くなります。この渋い響きが好きな方はたくさんいますが、長い経験から考えるに、合板の響きは木の響きではなく接着剤の響きのような気がします。なぜか湿った響きが出てくる。個人的には好きな響きではありません。このあたりの事は自作経験者ならお分かりと思いますが。)

 

トールボーイタイプのスピーカーをお聞きになればわかるように、腰のすわった厚みのある低音が出ているためしはありません。音のわからない素人にとって、「不要輻射がない」という言葉は「最先端を行くスピーカーは確かにいい音がする」と錯覚させられてしまうようです。このようなメーカーによる洗脳には腹立たしさを感じるものがありますが、メーカーはマーケットのレベルに合わせて物を言っているだけです。「どうも低音がたりない」などと思う消費者はいないとメーカーは完全にたかをくくっています。

 

多分トールボーイスピーカーというものはホームシアターで使われることを前提としているのだと思います。AV用の製品をオーディオ用としてついでに売る。この事を考えただけでも、音を云々するような人はもうメーカーが相手にしていない事がおわかりになると思います。ごく僅かしかいない人を対象にしても商売は成り立ちません。極僅かな人が低域の事に気付いたら、待ってましたとばかりに「当社のサブウーファーをお使いください」「サブウーファーは部屋のどこにおいてもかまいません」と言う。すべてがAV用の製品ですよね。

 

評論家も「腰のすわった厚みのある低音が出ていない」などとは、もう言いません。メーカーに言わせれば、「オーディオファンなどもう世の中には居ないという事が前提で俺たちは勝負している、だから音についてのコメントはいい加減にして欲しい」というヤリトリがあったと思います。かくしてオーディオ雑誌はインテリア雑誌にいつの間にか変身してしまった訳です。

 

オーディオ雑誌としてあのような音の出るスピーカーを紹介することはオーディオ雑誌という看板を下ろすことにつながるはずです。そして評論家も「あの人の耳はおかしくなってしまったようなので、もう原稿は頼まないで欲しい」という投書がくることを恐れているはずです。が、実際にはそんな投書は来ていない。音のわかるオーディオファンがいない証拠です。メーカーのほうが世の中をよく知っているのです。

 

いくら音の好みが千差万別とはいえ、一番大事な低域をおろそかに考えることはオーディオをやる資格がないように思えませんか。昔のオーディオ雑誌は楽しい記事が多かった。今は写真だけは見るけど、洗脳まがいの記事にうんざり。オーディオはとっくの昔に終わっています。評論家は昔からメーカーの太鼓もちでしたが、随分と大人になりました。オーディオ用として使えないようなスピーカーでもヨイショできるようになりました。生きていくには白いものでも黒いと言えるのが社会人というものです。ちなみに、わたくし社会人あまり好きではありません。

 

昔、ヤンチャな評論家の一言により、重いアンプしか作れなくなったメーカーは今思う存分評論家に反撃をしているのかも知れません。勝手にやってください。年を取ると軽いアンプが欲しくなる今日この頃です。重いアンプは腰が痛くなるし暖まるのに時間がかかる。

 

この辺りのことは現在、微妙な段階に来ています。定年退職組が増えるにつれ、オーディオ界では音の分かる人の数が徐徐に増えてきています。文章を頼りにトールボーイスピーカーを注文したのはよいが、届いたのは低音の薄いスピーカー。こういう問題がそろそろ出てくる筈です。評論家はメーカーから金をもらい、言われるままにいい加減な推奨記事だけを書いていればメシが食えるという時代は終わろうとしているのかも知れません。苦情が来れば評論家生命は終わりです。その事が怖い評論家は昔のように二刀流で文章を書く必要があります。「すっきりしたスタイルの美しいスピーカーです。音の良さは文句なし。オーケストラを中心に聴くならサブウーファーを追加するとさらに深みが増す。」こういう文章を書けばメーカーは怒らないで金をくれるし、文章の裏を読める読者には「低域が少し弱い」ということが伝わる。

 

トールボーイスピーカーはサブウーファーを使うことを前提として作られています。サブウーファーを使わないで、低音が出ているように感じさせるには他のスピーカーと同じようにある程度の大きさのバッフルが必要になります。そのバッフルの響きなどを利用して50〜150ヘルツくらいを膨らませてやるのです。そうする事により低音が出ているように聞こえます。低域が50ヘルツ止まりなので高域はなだらかに落とすかしてバランスをとります。これが多くのスピーカーの特性です。低域ボンボン、高域だら下がり。ボンボン鳴る低域に50ヘルツ以下をサブウーファーで補おうとしても、うまく繋がりません。そのことを考えるとトールボーイスピーカーのあの低域はあれでよいのです。いけないのは、サブウーファーが必要なことを何も言わずに素人に売ってしまおうという姿勢です。しかし、音を聴いての購入なら、騙されたという訳ではありません。購入者のほとんどは「不要輻射のない最先端のスピーカーを購入できた。」と思っている訳ですから。しかし、音のわかる人はああいう物は買いません。(サブウーファーとのセット購入はあると思います)

 

 

★洗脳を解くための基礎講座★

大口径スピーカーでは低音は出ない。・・音、風、低音とは何か?



 音吉を開店してから、いろいろなお客様がお見えになりました。いろいろなお話をしていて分かったことは、「大口径ウーファーでないと本格的な低音はでない」と言う洗脳は日本全国に行き渡っているということでした。さらに大口径ウーファーを実際に購入されているお客様がかなりいました。大口径ウーファーは簡単にまとめると、立ち上がりの遅い音を必要としている場合は、絶対に有利です。さらに、大きな部屋(200畳や300畳)で低音を出すには絶対的に有利です。その位の部屋になると、20センチ以下のウーファーでは役に立ちません。(質の良い低音はでるが、必要な音圧が出せない。)



 何故そうなのか。何故音吉は大口径ウーファーをけなすのか? これから説明をいたします。音と風の違いがお分かりになりますか? 音とは空気中で粗密波が伝わる現象です。風とは空気自体が移動する現象です。音の場合、空気はスピーカーの位置からリスナーの位置まで移動はしません。移動するのは、コーン紙によりたたかれてできる高気圧部分です。高気圧と低気圧が交互に発生して移動して行くのが音です。粗密波と呼ばれる所以です。空気は移動しません。

 

 さて、風ではなく音を出すにはコーン紙で空気をたたく必要があります。押している程度では音にはなりません。コーン紙を速い速度で空気にぶつける必要があります。コーン紙を速い速度で空気にぶつけないとコーン紙はただ空気を押すだけになってしまいます。大口径ウーファーは小口径ウーファーに比べて同じ音量を出すのに振幅が少なくて済むと言う「言葉上の」利点がありますが、振幅が少ないと言う事は空気をたたく速度が遅くなるので実質上音と風の中間的な物を生産していることになります。周波数が低くなるほど音を発生させずに風を作る。耳で聞いた場合、ゆるいゆったりした低音になります。立ち上がりは勿論遅い。同じ音量を出すのに小口径ウーファーを使う場合には振幅が大きくなるので風の要素の部分は少なくなり質の良い低音が作れる。立ち上がりは勿論速い。大口径ウーファーでは作り出せなかった低い周波数が風ではなく音として生産される。

 

同じ音量を出す場合、大口径ウーファーは小口径ウーファーに比べ低域が出しにくい。再生周波数が低くなるほど音でなく風を作る。したがって、小口径ウーファーの方が音としての低音はしっかり出る。

 

 さて、大口径ウーファーを使い質の良い低域を出すにはどうしたらよいのでしょうか。そうです。振幅を大きく取ればよいのです。振幅を大きく取るということは大音量再生になります。ここで大きな部屋と大出力アンプが必要になってきます。大口径ウーファーは重いので大きく往復運動させるだけで大出力が必要になります。また、大口径ウーファーで振幅を大きく取るということは部屋の空気が大きく圧縮されます。圧縮するのには大きなエネルギーが必要になります。音を作るためのエネルギーだけでなく、部屋の空気を圧縮するためのエネルギーもたくさん必要になります。いろいろな意味で片チャンネル1kWくらいは欲しい。しかし、アンプをいくら大きくしてもコーン紙の振幅には限度があります。小さな部屋の空気は容量が少ないので、コーン紙による圧縮ですぐに硬くなってしまいます。硬くなったあたりが限界です。限界ではたいした振幅になっていません。部屋を大きくする必要があるわけです。(空気の容積を増やして部屋の圧を下げる。) 又は、部屋のドアとかを開けておけば、部屋の空気圧は上がらずにコーン紙は楽に動いてくれる。圧縮に使われていた極低い周波数が音を出すまでに振幅してくれる。(はずですが、負圧がものすごく大きくなるので、やはり限度はあります。)

 

 しかも、小口径ウーファーを使うより、音質は悪い。小口径ウーファーより重い大口径ウーファーを信号に忠実に振幅運動させることは、物理学で言う慣性の法則が大きく働くため無理が出てきます。いったん前に出たコーン紙はすぐには後戻りできません。つまり、立ち上がりは勿論、立ち下がりも遅いのです。そのためにも大出力アンプで制御するのです。


 
理解できたでしょうか。メーカーでもこんなことは勿論わかっています。実際、小口径ウーファーの複数個使用による質の良い低域を出す研究はいくつもあります。が、完成していません。バーチカルツインという方式はいつの間にか消えました。かえって、ふたつのウーファーが干渉しあい質の悪い音しか出せなかった。


 大口径ウーファーは大きなハンディーを背負っています。まず、重いのでうまく往復運動してくれない。部屋が狭いと小口径ウーファーより低域が出ない。広い部屋と大出力アンプがどうしても必要だが、質の良い低域は出せない。ずばり言えば、マニアには必要なし。多くの人が用意できる部屋(6畳から20畳くらいの部屋)では本格的な低音は出せない。大口径ウーファーはもともと大きな部屋で大きな音を出すのを目的として作られています。質のことは諦めています。だから質の良い低域を大きな音で出すために小口径ウーファーの複数個使用の研究が続けられているわけです。


 メーカーは趣味でオーディオ製品を売っているわけではありません。何人もの社員が食っていかなければなりません。だから、大口径ウーファーの長所だけを強調するのです。決して大きな部屋で使うのが前提です、とは言いません。大口径ウーファーを使って満足している人は広い部屋を持っている人か、ゆるい低域(風のような低域)を小さな部屋で出そうとしている人です。音については何も分からず、見た目がカッコイイからとか、見栄をはれるからという人もいます。


 店頭で小さなスピーカーから大きなスピーカーに切り替えた時の反応には2種類あります。「さすがに大口径はゆったりした低域が無理なく出てたいしたものだ。風のような低域はすばらしい。」と「低域のレスポンスが悪くなるのはどうしてなんだろう」前者のタイプの人はゆったりした低域が好きな人です。反応の速い低域などを聞いても「音楽を聴くのに必要なゆとりが足りませんね。」と言う。完全にBGM派です。ピアノのタッチなど聞こえなくていいのです。一方、後者のタイプは小口径ウーファーでさえ反応が遅いと感じているはずです。ピアノのタッチなどが鮮明に出ていないと「音楽を聴くのに大事なものが出ていない。低域が音として出ていない。風のようなゆるい低域ではリズムも刻むように聞こえない。」と言う。音吉は後者のタイプであり、既製品には興味も示さず、ひたすら反応の速いスピーカーの研究を続けてきました。反応の速い音を出すのには、振動系の重い小口径ウーファーも必要ありません。振動系がもっと重い大口径ウーファーは大きな部屋が用意できたとしても決して使いません。重い小口径ウーファーよりも反応の悪い音しか出せませんから。音楽の三要素のうち、リズムを無視してハーモニーを重要視しているのが既製品スピーカーの特徴です。したがって、BGM派には絶対的に受ける。真剣に音楽を聴きたい人は拒否をする。(風のような低域を極端に嫌う)

 





 

3章 その他 役にたつこと

 

★ ステレオ再生とは

ステレオ再生とは音楽の再生のことと誰しも思いますが、ステレオ再生は音楽を鳴らしているようでいて実は別の目的をもっています。(音楽だけならモノラルで聴けば良い) ステレオ再生とは人間の錯覚を利用して、音と言う絵の具を使い空間に絵を描くことです。空間とは左のスピーカーと右のスピーカーを結んだ線上(面上)とその後ろの空間のことです。2ch〜6chと世の中にはいろいろな録音と再生が存在しますがすべて視覚の世界を問題にしているのです。音像という言葉そのものが視覚の世界のことを言っているのです。したがって、5ch再生においては自分を取り囲む5個のスピーカーを結んだ5角形の外側に音像ができるのです。その内側には音像はできません。付け加えますと5角形の内側には、ホールトーンも響きません。外側ならホールトーンは響いています。誤解しやすい言葉をあえて使うなら5角形の内側は無音状態です。クラシックのコンサート会場で自分の隣の人だけが拍手をしたとしましょう。その拍手の音は自分を取り囲む5個のスピーカーが作る5角形の外側で鳴るのです。電気的な処理をして自分のすぐ隣でその人の拍手をならすことはできますが、そのような場合バイノーラル録音というものを利用するほうがよいのです。そしてヘッドフォンで聴く。コンサート会場の雰囲気をとらえるなら5chではなくバイノーラルです。そもそも音楽はほとんどの場合自分の目の前で演奏されるので2chで十分です。隣の人の拍手の音などはどうしても必要なものではありません。

 

※ ひとつの楽器の音をひとつのマイクロホンで録り、それをふたつのスピーカーで鳴らすとふたつの楽器が鳴るはずですが、実際にはふたつのスピーカーの間にひとつしか音像はできません。ふたつのスピーカーの間にひとつの楽器が鳴っているようにしか聞こえません。錯覚とはこのことです。

 

※ 5ch再生については、360度パノラマ写真で考えると理解しやすいと思います。例えば、小学校の校庭の中心部で360度パノラマ写真を撮影したとしましょう。何枚の写真で360度をカバーしたかは分かりませんが、その何枚かの写真を引き伸ばして円形展示場の壁に貼ると、みごとな360度パノラマ写真の完成です。しかし、自分のそばで遊んでいた子供は印画紙の中にしかみえません。その他の近くにいた多くの子供が全員印画紙の中にしかみえません。近くにいた子供全員が印画紙の位置まで離れてしまうのです。360度パノラマ写真の内側の空間には子供はいないのです。5ch再生でも同じことがおこります。自分のとなりでギターを弾いていた人は5角形を作る線の上でギターを弾いています。5角形の内側には誰も演奏者はいません。

 

★ SACDについて

現在のオーディオ製品を組み合わせてSACDを鳴らしても意味がないと思います。SACDではたしかに高域の伸びにすばらしいものがありますが、その高域を生かすにはそれに見合った低域が必要なのです。現在売られているサブウーファーではあまりにも質が悪いので高域とバランスがとれないのです。

 

「音吉モニター」の再生周波数帯域は測定したことがありませんが、5Hz〜30kHzくらいです。スーパーツィターやサブウーファーなしで楽々SACDも楽しめます。「音吉モニター」は密閉型でもバスレフ型でもありません。バスコンプレッション方式により質の良い50ヘルツより低い周波数の再生が可能になっています。

 

★ クラシック音楽について

クラシック音楽は再生装置の性能に頼るところが少ないと思います。したがって高価なオーディオ機器は必要ないと思います。安いCDラジカセで十分です。小さなAMトランジスターラジオでも十分自分の人生を変えるほどの何かを感じることができるはずです。ジャズやボ―カルを聴くのならある程度良い装置で鳴らしたほうがよい。ジャズやボ―カルは「音楽」なのです。(音を楽しむという意味) クラシック音楽は「音楽」ではなく「人間へのメッセージ」と筆者は考えています。クラシックを聴くのにステレオも必要ないと思います。モノラルで十分です。しかし、良い音で聴くことに反対という意味ではありません。

 

★ アナログ再生について

アナログの世界に深い郷愁を感じている方も多いと思いますが、アナログをやるには資金力の差がものをいいます。結論からお話すると、安いターンテーブルではカートリッジの針で高域を拾うことがでません。ターンテーブルの軸受けの精度が低いのでターンテーブルはぐらぐら揺れながら回ります。そのような環境では高域の微細な溝をトレースできません。中域、低域も安定したトレースは無理です。金額で言えば、50万円以上のターンテーブルが欲しいところです。トーンアームも精度の高いものが必要です。

 

昔、精度の高いターンテーブル、トーンアームを用意できないマニアはFM放送をテープに録り音源としていました。そのほうが安いプレーヤーよりずっと良い音で音楽が聴けたからです。(FM放送の周波数帯域はそれ程広くはありませんが、安いプレーヤーではその帯域でさえうまくトレースできなかったのです。) CDの時代になったおかげで、FM放送より質の良い音が比較的安い金額で手に入るようになりました。しかしCDプレーヤーの世界でも高い製品のほうが音の安定度が違うことは確かです。アンプの場合でも、電源の大きなアンプの方が音に安定度があることは確かです。

 

大出力アンプが良いという意味ではありません。同じ出力のアンプなら電源に余裕があるアンプのほうが電圧変動が少なくて音に安定度があるという意味です。しかし、能率の低い市販のスピーカーを鳴らす場合には、大出力、大電源の双方が必要になることは確かです。

 

筆者はアナログ派ではありません。デジタルのおかげで質の良い高域が録音できるようになった事に感激しているタイプです。特に最近のCDはLPの時代より高域はきれいに伸びているし、間接音成分が豊富に録れているので、LP時代の録音の方がカサついた音に聞こえます。低音もかなり下まで最近のCDには入っています。

 

誤解されるとまずいので、本当のことを話します。2トラ38や76はデジタル録音に負けないほどの性能をもっています。しかし、その音をレコードにカッティングする時に、高域と低域をカットせざるを得なかったのです。低域はせいぜい50ヘルツ止り、高域は15〜20キロヘルツ止まりでした。数ある当時のカッティングマシンでどのくらいの性能のものを使ったかにもよりますが問題は再生側にありました。20ヘルツの低音をいれてもまともに再生できる人はほとんどいなかったのです。まずカートリッジで20ヘルツをまともに拾えるものがほとんどなかった。拾えないだけでなく、不安定動作をしてしまうので他の帯域も音がにごる。(現在のカートリッジやアームの性能についてはよく知りません。) スピーカーについては今でも、50ヘルツくらいが精一杯。しかし、最近のクラシックCDには20ヘルツより低い周波数が入っているものがけっこうあります。高域もカッティングマシンを使ったLPより、きれいにCDでは入っています。蛇足ですが、カッティグマシンなどは外国のレコード会社のほうが良いものを使っていたような気がします。

 

アナログしかない時代に、そのあまりにも金のかかるオーディオから私は身を引いた時があります。自分の資金力では遊べない世界だからです。デジタルのお陰でようやく復帰して現在に至るわけですが、今でもアナログをやる気はありません。昔より金がかかりますから。

 

★様々な信仰について

オーディオに対して宗教的な信仰を持つことは百害あって一利なし。科学的な信仰も百害あって一利なし。宗教信仰を捨て、科学信仰も捨て、すべての信仰を捨てて、自分の耳だけですべてを判断し、修行をする。(耳だけを頼りに自分の出したい音を出す) トーンコントロール回路は音を濁すので、ない方がいい。⇒これは科学信仰のひとつです。現実にはトーンコントロールを使わなければうまく鳴らせないCDがたくさんあります。

 






            4章 音吉流ステレオの鳴らし方

 

 さて、洗脳は解けたでしょうか。そしてオーディオをやるのに必要な基本的なことは理解できたでしょうか。

 

カメラの世界とオーディオの世界は似ている部分がかなりあります。市販品の中で一番高額な最高級カメラを買いパチリとシャッターを押せばプロ級の写真が撮れる。実際こう思ってカメラを購入する人はたくさんいます。しかし、安いカメラと同じような写真しか撮れない。現実とはそういうものです。オーディオでもこれと同じようなことを多くの人が経験しています。私はJBLやタンノイを使う気はありませんが、BGMとして音楽を楽しむには最高クラスの製品だと思います。しかしです、そのJBL、タンノイを購入してとんでもない音で鳴らしている人がたくさんいます、もっとよく鳴るはずなのに。写真の場合は安いカメラと同等くらいの写真はとれますが、JBLを使って、タンノイを使ってテレビ、ラジオ以下のとんでもない音しか出せない人がいます。その人自身がっかりして売ってしまおうかと思いながら、リビングにあるテレビのスイッチを入れる。N響アワーなどが放映されてなんかいたら、もう大変。自分の持っているタンノイ、JBLよりいい音で鳴っているではないか ! ! 低域、高域はほとんど出ていないがバランスの良い音で演奏も楽しく聴ける。

 

カメラの場合はまず被写体に対してどう光をあてるかくらいは勉強しておかないと宝の持ち腐れ。スピーカーの場合は壁から2メーター以上離すことくらいは知っておくことが大事です。自動車の場合は基本的な事を教えてくれる学校があるのでベンツを買っても使いこなせない人はいません。しかし、オーディオの世界では20年ほど前から基本的な事はわざと教えないようになってしまいました。

 

低域を出そうとして振動系の重いウーファーを密閉箱やバスレフ箱につけると反応の遅いモヤモヤした低域しか出ませんが、BGM用としてはいい味を出します。が、壁に近づけると間接音がワルサをして最悪の音になります。要するにカメラでもステレオでも車でも使いこなしを知らないのに買っても意味がないのです。「音吉モニター」を使っても最悪の音しか出せない人がいると思うのでこの章は精読をお願いいたします。

 

いよいよ「音吉流ステレオの鳴らし方」の解説に入ります。しかし、最初にお断りしておくことがあります。「音吉流ステレオの鳴らし方」は「音吉モニター」を使用することを前提として書かれています。マニアの高度な要求にこたえてくれるスピーカーが今のところほかに見つからないというのがその理由です。実際、多くのマニアがスピーカーだけは自作しています。 (マルチアンプ方式の人が多い) メーカーでも昔から高度の音が出せるスピーカーは商品化していないようです。そのかわり、マニア用にスピーカーユニットを販売していました。

 

「音吉モニター」はなんの色づけもない超高性能なモニタースピーカーです。他のスピーカーのように「クラシック用」、「ジャズ用」というような色づけは何もほどこしてありません。既製品スピーカーを使用する場合、音の7〜8割はスピ―カーで決まってしまいます。アンプ、CDプレーヤーの役割は補助的なものになります。よいアンプに変えたのに音がたいして変わらないというようなことがよく起こります。ですからスピーカー選びをおろそかにすると取り返しのつかないことになります。

 

一方、「音吉モニター」を使用する場合、自分がどんな音を出したいかによりアンプ、CDプレーヤーを決めるということになります。色づけがない上、超高性能ですからアンプ、CDプレーヤーを変えれば即座に音が変わります。慎重に選ぶ必要があります。

 

音吉モニターはBGM用には設計されていません。勿論、アンプ、CDプレーヤーを選ぶことによりJBL、タンノイetcのようなBGM的な音も出せますが、もっと違う音を狙っているマニアを対象に作られています。既製品の限界を知り、やはり自作しかないと思っていても自分でスピーカーを作る時間のない人のために丁寧に1台1台、耳を使い、時間をかけて作っています。

 

スピーカーを作るのにどうしても必要なのは木工(家具)職人ではなくスピーカー職人なのです。ヴァイオリンを作るのはヴァイオリン職人であり、家具職人ではありません。さらに言えば、あるレベル以上のヴァイオリンやスピーカーは工場で大量生産できるものではありません。両者とも理論と測定だけでは歯がたたない分野なのです。科学の域を超えている。電気理論や音響理論によりスピーカーやヴァイオリンの名機は作れません。このような分野に技術者が参入することがそもそもの間違いなのかもしれません。理論と測定の限界を飽きるほど経験したマニアがスピーカー研究に走るのは当然と言えば当然です。コンピューターで音を管理する大量生産工場ではBGM用の製品を作るのが限界かも知れません。あと10年してもコンピューターが高度な音を扱えるようになるとも思えません。もともと音響理論では音の要素のうち5%前後しか扱っていないと思います。

 

有名料理店のレシピを手に入れコンピューター管理の料理工場でレシピ通りに料理を作っても美味しい料理はできません。その店の料理人が手をかけないから大事な何か欠けてしまうのです。本当に良いものは手作りでしかできないと思います。

 

スピーカーの場合、箱を組み立てる人、塗装をする人、ユニットを取り付ける人、最後の測定をする人というように分業体制で製作をし、これが手作りであると宣伝しているケースがあります。しかしこれは手作りではありません。これこそが工場での分業ライン生産と言うものです。大量生産に向くやり方です。オール機械化はされていませんが。

 

料理でもスピーカーでも大事なのは、レシピでもなく理論でもありません。大事なのは「あの味を出そう」、「こういう音を出そう」というような、あるひとりの人間の頭の中にある「明確なイメージ」なのです。哲学や愛情と言っても良いかも知れません。明確で強烈なイメージをもっていない機械がレシピや理論をもとにして物を作ったとしてもたいした物は作れません。さらに、いくら人間が関与していても、分業では本物は無理です。イメージ、愛情、哲学が欠落しているところで出来上がるのは人でなしの味や音。

 

分かりやすく解説をすれば、製作者の愛情ある「気」が入っていないものはただの「物」です。ただの「工業製品」です。心を込めて作った料理には料理人の「気」が入ります。その「気」が店の味になるのです。レシピは味ではなくただの成分表です。

 

それでは解説に入ります。大事なことはわずかしかありません。しかし、そのひとつひとつを実際に実行するのは大変なことです。高度な音は一石一丁では出せません。しかし、これから述べる事をマスターすれば自分の音は必ず出せるようになります。頑張ってください。

 

■ 音楽をいきなり聴くのでなく前もってアンプ、CDプレーヤーを1時間くらい暖めておく。同時にスピーカーも音を出しコーン紙が動きやすいように準備体操をしておく。これは基本中の基本です。冷たいアンプからはなめらかな高域は出てきません。 



■ CDの録音状態を確かめて、それをどの様な音で鳴らしたいかを
決める。 その後にその目的に必要なアンプ、CDプレーヤーを選ぶ。

 

 勿論、JBLやタンノイのような音を出したければアンプ、CDプレーヤーを選ぶことにより出すことができます。この場合のポイントはゆるい音のアンプを選ぶことが不可欠です。タンノイ系統の音にしたい場合には帯域の狭い古い真空管アンプなどが考えられます。しかし、BGM的な優雅な音をねらう場合は最初からJBL、タンノイetcを選んだ方が利口です。

 

しつこいようですがアンプ、CDプレーヤーを選ぶ際、値段で選ぶのではなく音で選ぶことが大事です。価格の高い物のほうががいい音がする。こう思っているとしたら、明らかに洗脳されています。洗脳がある限り、自分の音など出せません。自分の音が出せるかどうか、値段に関係なく判断しましょう。低域の厚みをアンプで出そうとしているのに、いくら高級品とはいえ低域に厚みのないアンプを選んではいけないのです。値段に関係なく低域の厚いアンプをリストアップして、さらに中域、高域が満足できるものか総合的に判断しましょう。自分が求めている音を出すのに安い製品しか見つからない場合もあります。

 

オーディオ以外の製品の場合、高い製品の方が安い物よりやはり良いと大雑把に言えますが、ことオーディオに関して、これはあてはまりません。外国製の大出力セパレートアンプの高域などを繊細な耳を持っている日本人が聴けば落第点しか付けられません。が、外国製の大出力アンプがすべて悪い訳でもありません。日本製の製品でも値段の高いものの方が質の点で落ちる場合が間々あります。要するに値段に関係なく自分の音が出せる製品かどうか判断すればいいのです。

 

 30年前のアンプの性能の平均値を50とすれば、現在売られている10万円クラスのアンプの性能は100くらいになります。100万円以上のアンプに変えても、その性能は103とか105、せいぜい110くらいにしかなりません。その僅かな差を求める、求めないは個人の追及度によります。

 

<音吉が主にチェックする録音状態とは、次の項目です>

 

@ 低域の厚みが録れているか、いないか。 (昔の録音では低域の厚みが録れているものはほとんどありません⇒当然この場合には低域に厚みのあるアンプ又はCDプレーヤーを選ぶ)

 

A 間接音成分がどのくらい入っているか。 (新しい録音ほど間接音はうまく録れています⇒この場合には素直な音のアンプ又はCDプレーヤーを選ぶことが多い)

 
B     周波数特性がフラットに録音されているか。 (昔からポピュラー系統の録音には低域を持ち上げてあるものがほとんどでした。これに限らず細工を施してある録音はI-PODの普及によりますます増えていきます。クラシックも例外ではありません。トーンコントロールで調整しましょう)

 
C      周波数特性が狭いか広いか。(古い録音か、新しい録音か。) 古い録音の物に広帯域再生可能なアンプをぶつけても、かえって音が悪くなる。新しい録音の物に帯域の狭いアンプをぶつけても、素材が生きない。

 

CDの録音状態がよくつかめない場合は、工房音吉にそのCDをお持ちください。そのCDに適したアンプ、CDプレーヤーについてアドバイスいたします。人により出したい音は様々であります。その辺のことを加味してアドバイスいたします。(無料) 

 

おなじジャンルのCDを考えただけでも、様々な録音が存在する現在、ひとつだけのアンプ、ひとつだけのCDプレーヤーで、すべてを鳴らすことは不可能です。 LPの時代の録音、CDになってからの録音、CDでも録音テクニックが確立した後の録音、そしてI-PODの出現による影響、SACDの出現による広帯域録音の定着。その他いろいろな事が影響して、タンノイにラックスの真空管アンプ、カートリッジはオルトフォンでほとんどのクラシックを楽しめた時代とは状況が違うのです。録音方法が百花繚乱の忌まわしき時代なのです。

 

多くの人は手持ちのCDの中でもよく聴くCDに的をしぼってCDプレーヤーや、アンプを選んでいるようですが、音吉では中古のアンプ、CDプレーヤーを何台ずつか揃えて、いろいろなジャンルのCD、いろいろな録音のCDに対処しています。高価なアンプ、CDプレーヤーを1台ずつ揃えても鳴らせるレパートリーは限られてしまいます。音吉に限って言えば、自分の出したい音を出すために高価なアンプがどうしても必要だと感じたことはいままでありません。CDプレーヤーは高いものが欲しいと感じています。

 

とりあえず、現在お持ちのCDプレーヤーとアンプでいろいろなCDを聴いた上であれこれとゆっくり悩むのも楽しみのひとつかもしれません。

 

簡単にいろいろな音楽を楽しみたい場合には、出来あいのセットの購入をお奨めします。ある程度のレベルの音でなんでも鳴るように各社が苦心して作っています。この場合、スピーカーを壁から2メートル以上離すよう注意して下さい。(又は、吸音処理をする。) 万能型のスピーカーはある程度再生周波数帯域を狭くして、箱の響きを僅かつける程度に作ってあります。このようなスピーカーを使えばどんなCDでもむずかしい事を考えずに再生できます。 (主に聞く音楽が昔の録音の場合には昔売られていたセットを探したほうが良いです。その時代の録音に合わせて各メーカーは音作りをしていますので。)又、CDラジカセなら置き場所に神経を使う必要もないので失敗はありません。

 

しかし、最近のクラシックのCDなどはすばらしい録音の物がたくさんあります。低域から高域まですっきり伸びた広帯域再生の目の覚めるような音場感、楽器、オーケストラなどは実寸大に定位します。JBL、タンノイでは到底再生出来ないので是非、「音吉モニター」をお使いになることをおすすめいたします。ここ10年くらいに録音されたクラシックCDに的を絞ればアンプ1〜2台、CDプレーヤー1〜2台で間に合います。

 

■ その日の気温、湿度により微妙に音が変わるのでさらに微調整を行う。トーンコントロールを使いこなすという事です。また、部屋の低域特性は部屋ごとに微妙に違うので引越しをした時にはまずトーンコントロールで調整することが必要になります。また普段の使用においても音量をかなり上げた時には低域をトーンコントロールで下げる必要があります。トーンコントロールのないアンプは使い物になりません。

 

■ 小さな音ではその音が部屋の壁から跳ね返る力がないのである程度大きな音量で鳴らす。部屋の壁からの間接音がないと音楽は楽しくありません。一般のスピーカーを鳴らす場合、スピーカーの近くの壁や床はデッドに(無響室に近い環境にするという意味)、離れた所の壁はライブにしましょう。(5chとか6chで出るというホールの響きとその部屋で生まれる間接音とは別のものです。)



 付け加えますと、現在多くの部屋がかなりライブになっているので、小音量でも十分な間接音が聞けると思います。反対に間接音の量を減らす工夫が必要かもしれません。又、鳴き竜現象が起きている部屋がけっこう多いので、手をたたいてチェックしてみましょう。

 

★音吉流ステレオの鳴らし方のまとめ★

@ 暖機運転を30分から1時間くらいする。

A CDの録音状態に合わせてアンプ、CDプレーヤーを選ぶ。

B トーンコントロールを使いこなす。

C 部屋の壁からの間接音をうまく加味する。

 

音吉モニターは設計自体が違います。BGM用の設計をしていません。さらに手作りにより1台1台心を込めて、祈るような気持ちで作っています。期待を裏切るようなことはありません。

 

もし、うまく鳴らせない場合は、最後の最後まで音吉がフォローします。スピーカー自体のレベルが高いので上記の4点さえ守れば、自分が頭の中に描いている高度な音は必ず出せます。

 

JBL、タンノイ、etcは一般オーディオファン向けのスピーカーですが、うまく鳴らせない人が大勢います。一般オーディオファン向けのスピーカーより高度な音の出せる「音吉モニター」は、当然鳴らし方は難しくなります。ベンツやポルシェは普通免許で乗れますが、F1用の車は普通免許の運転技術レベルでは歯が立ちません。しかし、「音吉モニター」の場合、一般オーディオファン向けのスピーカーより鳴らすのが楽な部分もあります。JBL、タンノイを鳴らすのに苦労しているレベルの方でも、躊躇せずに挑戦してください。音吉がいつまでも無料でフォロー致します。

 

「音吉モニター」はコーナー設置型なので壁から2メートル以上離したりする必要はありません。また吸音処理をする必要もありません。口径の小さなスピーカーユニットを使っているので6畳くらいの部屋であっても上級マニアの音が出せます。能率が高いので大出力アンプも必要ありません。適切なアンプ、CDブレーヤーを選ぶことさえすれば、自分の音は必ず出せます。

 

いままでに多くの人が高い製品を買ったのに満足な音も出せないで意気消沈しています。さらに、もっと高い製品ならいい音がすると信じ込んで「オーディオ地獄」に陥っている人もたくさんいます。(カメラと同じですね。)

 

この悲劇は無響室で測定して作られたスピーカーを壁に近づけて鳴らそうとしているがために起きているケースがほとんどです。もしくは、部屋の容積に比べて口径の大きなスピーカーを導入してしまった場合。または、高度な音を出そうとしているのに大量生産のBGM用の既製品スピーカーから卒業できないでいるケース。自動車で言えば、F1のレースで勝ちたいのにまだベンツやポルシェの性能で勝てると思っているケースです。JBL、タンノイ、etcの既製品はだれでもが鳴らしやすいように性能を落としてあります。もし高度な音を出したいなら既製品にさよならをすることが必要です。

 

反対に、BGM的に音楽を楽しみたいなら「音吉モニター」などは選んではいけません。広帯域再生のため情報量が多く脳の情報処理能力がフルに使われるため2時間も聴けば疲れてしまいます。とてもとてもBGM的には使えません。のんびりとドライブを楽しみたいのにF1用の車を使う人はいません。

 

「高い製品なら良い音が出るだろう」ではなく、自分にとって良い音は何かを見極め、その音を出すのに必要な製品かどうかを考えることが基本です。高い製品が必ずしも良い音を出してくれる訳ではありません。まずは、自分がBGM的な音が好きなのか、あるいはマニアの世界(再生視覚芸術)に興味があるのか、ここら辺の事を自分自身に問い掛けてみることが必要です。状況によりBGM的スピーカーとマニア用スピーカーを使い分けるのがオシャレかもしれません。

 

もう、マインドコントロールから卒業する時期ではありませんか。高価な製品に対する信仰を捨てることです。科学に対する信仰も必要ありません。オーディオは信仰ではなく、修行です。修行をしましょう。

 

「高級品」を売ろうとしているメーカーは少なからず宗教団体が信者を集める手法を使っています。新興宗教をけなす人が実は「オーディオ高級品教」の信者になっているケースは山ほどあります。

 

本当は自分(の音)が主人であり、高級品、高い製品、安い製品全てをしもべとして使うのがマニアのとる態度です。その製品が自分の音のしもべとして合格かどうか判断できるようになること、これが修行です。教祖は自分で製品が信者。信者を使いこなし、自分は信者にはならない。あなたの高級品はあなたの音の信者として合格していますか。自分が教祖になるためにはまず教義をはっきりさせましょう。「BGM教」?  「やはり生音楽教」? 「視覚芸術再生教」?

 

マニアの場合、ご幼少のころから出したい音が頭の中で鳴っているケースが多いので、その音が教義になっています。そしてほとんどの場合、既製品スピーカーは信者として採用されない。

 

不幸にも既製品スピーカーを買い納得のいかない日々を過ごしてしまった人の本質はマニアなのです。「BGM教」御用達スピーカーは必要ありません。

 

繰り返します。オーディオは信仰ではありません、修行です。信教の自由を否定するつもりはありませんが、自分の出したい音がある人にとって、思い込みや信仰がいかに有害なものかを感じ取ってもらえれば幸いと思います。 (値段を伏せて音を聴く)

 

■ 接続ケーブル、スピーカーコードの選び方

 筆者はこれらのものに興味もなく使ったこともありません。そういう状態で言えることはただひとつ。まず自分の出したい音を決める。それに合ったアンプ、CDプレーヤーを選ぶ。その後の微調整が必要になったら、その目的に合った接続ケーブル、スピーカーコードを選ぶ。

 

 どんなケーブルが良いですかと聞かれても、「まずどんな音が出したくてどんなアンプ、どんなプレーヤーをお使いですか。」から話をはじめないと答えは出てこないでしょう。万人に共通の良いケーブルなどありません。

 

 筆者の場合、トーンコントロールで各CDの最終微調整をすれば、それで満足というケースが多いのでそれ以上の微調整を考えたことがありません。いつも頭の中にあるのは微調整ではなく、もうすこし暖色系のアンプに変えたいとか、もう少しおとなしいアンプに変えたいとかいう大調整です。ですから、各ケーブル、コードについての知識もありません。何本かは聞いたことがありますが何か癖があるようにしか感じませんでした。スピーカーコードなどはメーター50〜100円くらいのコードが好きです。あまり癖というか特徴のある物は使いたくありません。

 

 BGM的スピーカーを使う人で接続ケーブルを変えて、あまりにも良い音に変わったと感じた人もいると思います。高域を強調するタイプのケーブルならモヤモヤしたBGM的高域はすっきりした高域になります。昔、ハイスピードアンプを使うことにより低域がパンと鳴り、満足した人が何人もいたのと同じです。本質は皆マニアです。BGM用スピーカーから早いうちに卒業できる人です。何故って、マニア用スピーカーなら、最初から、高域はよりすっきりしているし、中域もくっきり、低域パンパン。だから癖のある物を使うとバランスが崩れてしまいます。

 






----おわりに-----

 

本当はこと細かく丁寧に解説すべきものを簡単に書いてしまいました。読んでも何も分からないという方も多いと思います。音吉は質問に対して丁寧にお答えするつもりです。筆者自身修行中の身であり、分からないことは山ほどあります。しかし、いままでの研究で分かっているものについては丁寧にお答えしたいと思っています。よろしくお願いいたします。

 

前橋にも長くオーディオやっている人が何人もいると思います。もし、そういう人に出会えたら一度その人の音を聴かせてもらうのもいい勉強になると思います。

 

ここで、注意をひとつ。長くオーディオやっている人でも、やれJBLを持っています、やれタンノイを持っていますなどと、持ち物の自慢ばかりしている人には会ってはいけません。BGM的な音を最高に優雅に出す方法を教えてもらおうとしても何も知らないケースがほとんどです。スピーカーを壁の近くに置いて吸音処理もしていないとか、部屋の大きさに対してあまりにも口径の大きなスピーカーを導入していたり、基本的なことがまるっきり分かっていない人があまりにも多いのです。( 車でいえば、ベンツを持っているが、車庫入れも出来ないというような人がオーディオの世界ではいっぱいいます。何も教えないメーカーの責任もありますが。)

 

キチはキチに接触する事により磨かれます。所有することしか興味のないキチに会っても疲れるだけです。高級品の所有者が出す音は低級品の場合がほとんどです。

 

ブランド、高級品、見栄、税金対策etc。オーディオとはそんなミミッチイ世界とは本来無縁です。オーディオとは超苦しく、超楽しい趣味であり修行です。出てくる音で、その人のレベルが分かる。持ち物ではレベルはわからない。

 

「音吉モニター」は広帯域再生が可能なスピーカーですが、現在、低域が出ていないと感じる人とものすごい低域が出ていると感じる人が半々くらいです。前者の人は既製品スピーカーの音に慣らされてしまっている人です。既製品スピーカーは50ヘルツの低域を出すのが精一杯なので箱の響きを利用したりして100ヘルツ前後をふくらませて低音感を補っています。低域再生に限度があるために高域もあまり伸ばしていません。結果として再生周波数帯域は狭く、低域ボンボンの音になります。ほとんどの人がこういう音にしか接していないので「音吉モニター」のような広帯域の音を聴いた時に違和感を感じるのです。そして低域が出ていないと言う。

 

たしかに、帯域が狭く100ヘルツ前後を強調している音にはそれなりの魅力があることは確かですが、現実の低音でボンボンしている低音は楽器を含めありません。ドラムにしろチェロにしろ生の楽器は引き締まった低音しか出していません。かと言って、オーディオとして「音吉モニター」の低音が正しいと言うつもりはありません。

 

現実とは違う魅力ある音を作り出すのがオーディオの楽しみですから。低域に関して、一番極端なボンボン音を楽しんでいるのは、若者のカーステレオです。100ヘルツ前後をこれでもか、これでもかと強調して鳴らしています。あまり、彼らを馬鹿にしないで、同じオーディオ仲間として受け入れようではありませんか。広い心を持つことが必要です。自分の音を大事にする、そして人の音も大事にしたいと思います。音吉の音も大事にして下さい。(50ヘルツ以下が出ている音も大事にして下さい。広帯域再生の魅力にも目を向けて下さい。)

 
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